MClass Maximizer 解説1

基本的な機能の解説

マキシマイザーとは、音量を0dbを超えない範囲で、
できるだけ音量、音圧をあげるためのエフェクトで、
Thresholdが0db、Ratioが∞:1*1のコンプレッサーと考えてほぼOKです。

一応コンプレッサーを知らない方でも分かるようには書いたつもりですが、
コンプレッサーが分からない人はGoogleで検索してみると良いと思います。


MClass Maximizerは回路的に、

  • 入力 - Input Gain - Limiter (- Output Gain) - Soft Clip - 出力

と成っています。

※Output GainはLimiterセクションの機能として提供されています。

以下に各セクションの説明を書いておきます。

Input Gainセクション

MClass Maximizerに入力された波形の音量を、
−12.0〜+11.8dbの間で調整し、Limiterセクションに送ります。

Limiterセクション

LimiterセクションをOnにすると、"入力音量+Input Gain"が±0dBを超えた場合、
それを検知して、±0dbになるように音量を下げてくれます。
(実際は、−0.数dbまで下がってしまうこともあるようですが。)

ただし、一般的なコンプレッサーと同様、0dbを検知してからリミッターが掛かるまでにラグがあり、
アタックの強い波形(ピアノやキック等)や、音量が激しく変化する波形の場合、
波形の一部が0dbを超えたままSoft Clipセクションに流れ込むことがしばしばあります。
これを防ぐには下の4ms look ahead 機能や、Soft Clip機能を用いると良いです。

4ms look ahead 機能

をOnにすると、波形の0db検知を4ms早くする事が出来るので、
AttackをFastにすれば、リミッターが掛かるまでのラグがほぼ起こらなくなるので便利です。

Attack

は「0dbを超えた波形を検知してから、リミッターが掛かるまでのラグ」を示し、
Fast ならばラグが短く、 Slowならばラグが長くなります。
Fastでも4ms look ahead 機能をOnにしていない場合は多少のラグが発生するので注意です。

Release

は「0db以下の波形を検知してから、リミッターをはずすまでのラグ」を示し、
Fast ならばラグが短く、 Slowならばラグが長くなります。

Output Gain

ではリミッターで音量調節された後の、Soft Clipセクションに送る音量を−12.0〜+11.8dbの間で調節できます。
Output GainはLimiterセクションの機能として提供されているので、
LimiterセクションをOffにしていると、効果が出ませんので注意です。

Soft Clipセクション

Soft ClipセクションをOnにすると、
Soft Clipセクションに入ってきた波形の中で0db以上の部分を歪ませつつ、
±0dbまで音量を下げてくれます。波形が歪む量はSoft Clipに入ってくる音量が大きいほど大きくなります。

リミッターと違ってこのSoft Clip機能にはラグが有りません。

Amount

Amountを大きくすると、高周波成分が少ないソフトクリップに、
Amountを小さくすると、高周波成分が多いハードクリップになります。

*1:Ratioが∞:1は9/26追記